【5選】おすすめしたいファンタジー小説を厳選
おすすめしたいファンタジー小説
今回は私が読んで来たファンタジー小説の中から、「ファンタジー小説のどれを読もうか悩んでいる方に是非読んで欲しい」と思う作品を5つに厳選してご紹介したいと思います。
以前書いたミステリー・読者初心者におすすめの記事もそうですが、本当は記事に書ききれない程皆さんに読んで欲しい小説はたくさんあります。けれどそこは敢えて、5~10冊程に絞って「まずこれは読んで欲しい」と思うものをご紹介することにしています。たくさんご紹介するとそこから更に迷う、なんてこともあると思いますしね…
ここに収まりきらない、ここに書いてある小説を全部読んだという方に向けた「更に他にも追加でおすすめしたい小説!」として今後ご紹介させて頂くかもしれません。
それでは、いちおしのファンタジー小説をご紹介致します!
光の帝国―常野物語
膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから――「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への志向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか? 不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。
絶対に読むべき小説の一つ。
恩田陸さんといえば映画化もした「夜のピクニック」が有名です。私もそこから入りました。ですが恩田陸さんの小説にはまったのはこの「光の帝国」がきっかけでした。
読んだ方の感想を見てみると、タイトルから小難しく固い印象を受けて「すすめられて買ったはいいものの読まずに置いていた方」がちらほら。勿体無い!
この小説は全10篇の短編からなる小説です。それぞれ何らかの特殊な能力を持ち、特殊な能力のない一般人の中に紛れながらどうやってその能力を使い、あるいは向き合っているのか。特殊能力の多様性に富んだ面白い物語は勿論、常野の人達がそれぞれ抱く心情や思惑などには心を揺さぶられます。
ファンタジー小説のおすすめ、恩田陸さん著書作品のおすすめ。どちらを聞かれてもまず真っ先に挙げる作品です。
図書館の魔女
鍛冶の里に生まれ育った少年キリヒトは、王宮の命により、史上最古の図書館に暮らす「高い塔の魔女(ソルシエール)」マツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声を持たないうら若き少女だった。超弩級異世界ファンタジー全四巻、ここに始まる!
第45回メフィスト賞受賞作。
メフィスト賞受賞作ということで手に取りましたが、凄い当たりでした。
魔法といえば呪文を唱える。不可能を可能にする。奇跡的なものを生み出す。などが主として挙げられるかと思いますが、「図書館の魔女」の主人公である魔女・マツリカにとっては言葉そのものが魔法。巧みな言い回しで言の葉を操り、舞台となる世界で国と国の政治を大きく動かします。
言葉こそが魔法。ですが、マツリカにはその言葉を話す声が出ません。では、どうやって魔法を使うのか?マツリカが魔法を使う手段は手話です。
そしてマツリカと出会い、マツリカの声となり、情勢を動かす魔法の一端を担うこととなるキリヒトという少年。読みすすめるに連れて信頼を深める彼とマツリカの関係性も目が離せません。
本で得た膨大な知識と言葉による魔法で国交の政治情勢を大きく動かす壮大な物語。全4巻と厚みもあり膨大な情報量ですが、一読の価値ありです。
新世界より
1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。
「悪の教典」を書いた貴志祐介さんの小説。
貴志祐介さんの小説はミステリー小説としても是非ご紹介したい本がありますが、それはまたの機会に…。とにかく、この方はいろんな意味で心を揺さぶるのが上手い。感動も恐怖もまるで直に見聞きしているかのように感じさせる綿密な心理描写。これは貴志祐介さんの小説にどれも共通するものです。
新世界よりは1000年後の日本が舞台。どこか異質ながらそれが日常で、それが神聖な世界でした。けれど今作で主軸の役割を担う子供達は、あることをきっかけにその安寧な日々の裏に隠された恐ろしい事実の一部を知ることになります。
こちらも上中下の三巻分と大ボリュームで、特殊な世界観と言うこともあり序盤は読みにくく感じる部分もあると思いますが入り込んでしまえばあっという間。怒涛の展開と素晴らしい結末が待っています。
ブレイブ・ストーリー
おだやかな生活を送っていた男の子に、突然、両親の離婚話がふりかかる。家を出た父を連れ戻し、再び平和な家族に戻りたいと強く願う少年が向かった先は、運命を変えることのできる女神の住む世界「幻界(ヴィジョン)」だった。5つの「宝玉」を手に入れ、女神のいる「運命の塔」を目指す彼を待ち受けるものとは!? トカゲ男にネコ娘、火を噴くドラゴン。コミカルなキャラクター勢とともに、次々と沸き起こるトラブルを乗り越え、少年は強くたくましくなってゆく。
アニメ映画化もした王道ファンタジー。
王道と言えど、ひと捻りもふた捻りもあります。あらすじを読む限りでは子供が楽しめるような設定のように感じますが、物語に沿って描かれる主人公の少年の葛藤や苦しみ、大きな成長はまさに「大人だからこそ思い出さなければいけない大切な何か」を教えてくれます。
ファンタジーという面ではまるでゲームの世界のような設定が組み込まれ、自分も主人公と一緒に冒険しているような気持ちになれます。疾走感があり読んでいてわくわくが止まらない。
ただのファンタジー小説という枠だけでは終わらない、とても魅力的な物語です。
指輪物語
恐ろしい闇の力を秘める黄金の指輪をめぐり、小さいホビット族や魔法使い、妖精族たちの、果てしない冒険と遍歴が始まる。数々の出会いと別れ、愛と裏切り、哀切な死。全てを呑み込み、空前の指輪大戦争へ―。
現代ファンタジーの原点(と思っている)。
多くを語る必要もないほど有名な物語。映画、「ロード・オブ・ザ・リング」の原作となった小説です。
原点と言われることもあり、今でこそ「王道」と呼ばれるファンタジー展開が盛りだくさん。ファンタジーを読みなれた、もしくは見慣れた方なら耳馴染みのある人間とは違う種族もここから始まります。
ファンタジー好きなら避けては通れない、必見の物語です。
まとめ
以上が、おすすめしたいファンタジー小説5選です。何か一作でも気になるものはあったでしょうか。
ファンタジーはどれもシリーズとして確立しているものが多く、どの作品も大ボリュームの内容となっています。まずは一作。「面白そう」だと思えた小説を是非読んでみて下さい。